大相撲「関脇とは」どんな地位?大関との違いや給料・33勝の壁を解説
大相撲の本場所中継やニュースを見ていると、必ず耳にするのが「関脇(せきわけ)」という番付です。2026年最新大相撲番付においても、若手実力者とベテラン勢がこの地位をめぐって激しい星取り合戦を繰り広げていますが、「関脇とは具体的にどれくらい凄い地位なのか?」「大関や小結と何が違うのか?」と疑問を抱く少なくありません。
実は、関脇は単なる上位番付のひとつではなく、大相撲の階級制度において最も過酷かつドラマチックな「看板力士への最終関門」として機能しています。本記事では、日本相撲協会の公式規定や報道各社の取材データをもとに、関脇の名前の由来から驚きの給料・年収事情、そして大関昇進に立ちはだかる「33勝」の壁まで徹底的に紐解いていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:関脇とは横綱・大関に次ぐ幕内第3位の地位であり、狭義の「三役」における筆頭格にあたる。
- 要点2:月給は約160万〜180万円規模で小結と同額だが、三賞や報奨金を含めた年収は3,000万円前後に達する。
- 要点3:1場所でも負け越せば即陥落する一方、三役で直近3場所「33勝」前後を挙げれば大関昇進の道が開ける。
【基本解説】大相撲の「関脇とは」どんな地位?三役の序列と名前の由来
大相撲番付の仕組みにおいて、全力士の頂点に立つ幕内(まくうち)の上位陣は「幕内役力士」と呼ばれます。その中でも関脇とは、横綱から数えて第3位、大関のすぐ下、小結(こむすび)のすぐ上に位置する極めて重要な階級です。まずは、歴史的なルーツと番付上の定員ルールから整理していきましょう。
8世紀の節会相撲に遡る「関脇の名前の由来」
なぜ「関脇」と書いて「せきわけ(または、せきわき)」と読むのか。報道資料や辞典データ(コトバンク等)の歴史的記述を紐解くと、関脇の名前の由来は「大関の脇を担う位置」という言葉に行き着きます。
さらに時代を遡ると、8世紀(奈良時代)に宮中行事として行われていた「節会相撲(せちえずもう)」にその原型が見られます。当時、最も強い力士を「最手(ほて)」と呼び、その最手に次ぐ2番手の実力者を「最手脇(ほてわき)」または単に「脇(わき)」と称していました。江戸時代初期に現在の番付制度が確立される過程で、最強の地位であった大関(関)の脇を固める役職として「関脇」という名称が定着したのです。
関脇の人数と定員ルール|なぜ3人や4人に増える場所があるのか?
江戸時代初期から続く伝統として、関脇の人数と定員は「東西に最低1名ずつ(合計2名)」置くことが絶対条件となっています。番付表を開いた際、東と西のそれぞれに必ず関脇の枠が存在するのはこのためです。
しかし、2026年最新大相撲番付を含め、近年の場所では関脇が東西に3名や4名並ぶケースが珍しくありません。これは、前場所で関脇だった力士が勝ち越して地位を守ったにもかかわらず、小結や前頭上位の力士が大勝ち(11勝や12勝など)して「関脇に昇進させないわけにはいかない成績」を残した場合に、定員枠を一時的に拡張して番付を編成するためです。かつては枠外の力士を「張出関脇(はりだしせきわけ)」として番付表の外側に書き出していましたが、平成6年(1994年)夏場所からは全員が正規の欄内に連名で記載される方式に統一されています。

小結や大関との決定的な違いとは?驚きの給料事情と待遇を徹底比較
大相撲の番付でよく聞く「関脇とは」一体どんな地位なのかを理解するうえで、最も注目したいのが隣接する「大関」「小結」との格差です。小結や大関との決定的な違いや、関脇の給料と年収の実態を具体的な数値で比較してみましょう。
| 番付(地位) | 月額基本給の目安 | 推定年収(手当・賞金込) | 陥落条件・特有の待遇差 |
|---|---|---|---|
| 大関(おおぜき) | 約250万円 | 約4,500万〜5,000万円超 | 2場所連続負け越しで陥落(カド番制度あり)。三賞の対象外。協会駐車場の優先利用など特別待遇多数。 |
| 関脇(せきわけ) | 約160万〜180万円 | 約2,800万〜3,500万円 | 1場所でも負け越せば即陥落。三賞(1賞200万円)の対象。本場所の初日に協会挨拶で土俵に上がる。 |
| 小結(こむすび) | 約160万〜180万円 | 約2,600万〜3,200万円 | 1場所でも負け越せば即陥落。基本給や装束の待遇は関脇と完全に同格だが、番付の序列は関脇の下。 |
| 前頭(まえがしら) | 約130万〜140万円 | 約2,000万〜2,500万円 | 星数に応じて番付が上下変動。横綱に勝てば「金星(きんぼし)」が記録され持ち給金が加算される。 |
関脇の給料と年収|三賞獲得で一気に3,000万円超えも
日本相撲協会の給与規定および関係者の証言によると、関脇が毎月受け取る基本給はおよそ160万円弱〜180万円(改定時期により変動)と定められています。年6場所開催される大相撲では、基本給のほかに年2回の賞与(ボーナス)、場所ごとの出場手当、さらには過去の成績に応じて積み立てられる「力士褒賞金(持ち給金)」が年6回支給されます。
さらに見逃せないのが「三賞(殊勲賞・敢闘賞・技能賞)」の存在です。大関に昇進すると三賞の受賞資格を失いますが、関脇は三賞の対象となる最上位の番付です。1つの賞につき賞金200万円が授与されるため、関脇の地位で二桁勝利を挙げて複数の三賞や懸賞金を獲得した場合、関脇の年収は3,000万円から3,500万円規模に跳ね上がるケースも珍しくありません。
関脇と大関の違い・関脇と小結の違いはどこにある?
表からも明らかなように、関脇と大関の違いは「地位の保証(カド番制度の有無)」と「経済的・社会的特権」に集約されます。大関は1場所負け越しても翌場所「カド番」として大関に留まれますが、関脇にはその猶予がありません。また、大関以上になると紫色の座布団の使用が許されたり、引退後に3年間の年寄(親方)身分が保証されたりするなど別格の扱いを受けます(関脇・小結の年寄優遇期間は引退後2年間)。
一方で、関脇と小結の違いは「番付上の序列のみ」といっても過言ではありません。基本給の額面、付け人の人数目安、本場所初日と千秋楽の協会挨拶への登壇など、制度上の待遇は関脇も小結も全く同じ「三役待遇」として括られています。ただし、大関昇進への最終ステップとして見なされるのは圧倒的に関脇であり、小結から一足飛びに大関へ昇進する例は極めて稀です。
大関昇進に必要な「33勝」の明確な基準と関脇陥落のシビアな条件
関脇という地位を語るうえで避けて通れないのが、過酷極まりない昇進と陥落のルールです。大相撲の勝ち越し負け越しが、これほどまでに力士の人生を左右する番付は他にありません。
大関昇進の条件「33勝」の壁と、知られざる選考の裏側
日本相撲協会の審判部が長年運用している不文律として、大関昇進の条件は「直近3場所を三役(関脇・小結)の地位で過ごし、合計33勝以上を挙げること」が明確な基準とされています。いわゆる「三役3場所33勝」のハードルです。
1場所15日制において、3場所で33勝するためには1場所あたり平均11勝4敗という圧倒的な勝率(73.3%)を維持しなければなりません。しかも、関脇は初日から7日目までの前半戦で、横綱・大関・他の三役力士と毎日対戦する「上位総当たり」の編成が組まれます。平幕(前頭)の下位で11勝するのとは難易度が次元から異なるのです。
さらに審判部の過去の判断事例を見ると、単純に数字が33勝に届けば無条件で昇進できるわけではありません。「14勝→8勝→11勝(計33勝)」のように途中に8勝7敗のギリギリの場所が挟まるケースや、起点となる1場所目が前頭筆頭だったケースでは、34勝以上や優勝同点レベルの「内容の濃さ」が厳しく問われます。逆に、横綱・大関を破っての幕内最高優勝を含む場合は、32勝でも大関昇進が認められた過去があります。
たった1点の負け越しも許されない「関脇陥落の条件」
上を目指す条件が厳しいだけでなく、足元も常に崖っぷちです。関脇陥落の条件は極めてシンプルかつ冷酷で、「7勝8敗以下の負け越しを喫した時点で、翌場所はほぼ確実に関脇から陥落する」というものです。
前頭であれば7勝8敗(1点の負け越し)なら番付が1枚〜半枚下がる程度で済みますが、定員が限られている関脇で7勝8敗となると、翌場所は小結または前頭筆頭へ即座に降格となります。もし5勝10敗や4勝11敗と大きく負け越せば、一気に前頭中位まで番付を落とすことになり、積み上げてきた「大関とりの実績」もゼロからやり直しを強いられます。

【実態検証】力士の生の声と2026年最新大相撲番付で見える現場のリアル
これほど過酷な地位だからこそ、新関脇への昇進を果たした力士や、関脇の壁に挑む力士たちの言葉には独特の重みが宿ります。過去の昇進会見やテレビ特番のインタビュー、そして相撲ファンの生の反応から現場のリアルを検証します。
記者会見の表情と手記・発言に滲む「関脇」の重圧
かつて新関脇に昇進した際の会見で、御嶽海(現・幕内経験者)が満面の笑みを見せた写真は相撲ファンの間でも有名ですが、多くの力士が口を揃えるのは「小結に上がった時よりも、関脇に上がった時の方が『いよいよ大関が見える』という周囲の視線の変化にプレッシャーを感じた」という生の告白です。
また、過去に大関昇進を果たした力士たちの自著や特番インタビューを振り返ると、公の場で見せた表情の翳りや発言のニュアンスから、関脇時代の壮絶な精神状態が浮かび上がります。「10勝しても『あと1勝足りなかったね』と言われるのが関脇。毎日が試験会場にいるようで、場所中は食事が喉を通らなかった」という証言は、この地位が持つ特殊な緊張感を如実に物語っています。
SNS・5ch・知恵袋における相撲ファンの本音と2026年の番付事情
ネット上のコミュニティ(Xや5ちゃんねるの大相撲板、Yahoo!知恵袋など)におけるファンの議論を分析しても、関脇に対する評価は非常にシビアかつ熱狂的です。
- SNS・掲示板の主な声:「平幕で二桁勝って三役に上がっても、関脇で連続二桁勝てる力士はほんの一握り」「関脇で毎回8勝7敗や9勝6敗を繰り返す『関脇の番人』みたいな力士が一番渋くて好き」「金星がもらえないのに横綱・大関と全員当たるから、コスパで言ったら一番損な番付では?」
特に最後の「金星(きんぼし)がもらえない」という指摘は、ファンならではの鋭い視点です。前頭の力士が横綱を倒せば「金星」となり、引退まで毎月給料が加算されるボーナスを得られますが、関脇や小結が横綱を倒しても「三役が横綱に勝つのは職務のうち」と見なされ、金星にはなりません(殊勲賞の評価対象にはなります)。2026年最新大相撲番付においても、実力伯仲の若手・中堅力士たちがこの「見返りよりも試練が大きい関脇枠」でしのぎを削っており、場所ごとの入れ替わりの激しさが興行全体の最大の盛り上がりどころとなっています。
一般に知られていない「三役」の盲点とネットの誤解|なぜ関脇は小結と同じ待遇なのか?
ここで、一般の視聴者が陥りやすい三役力士の序列に関する誤解を解き明かし、相撲界の組織構造に踏み込んだ深層分析を行います。
「三役=横綱・大関・関脇」は間違い!本来の三役の意味とは
ネット上の質問サイトなどで最も多い誤解が、「大相撲の三役とは、上から3つの横綱・大関・関脇のことですよね?」という認識です。これは明確な誤りです。
歴史的・制度的な本来の意味において、「三役」とは大関・関脇・小結の3つの地位を指します。なぜ横綱が含まれないかというと、江戸時代において最高位はあくまで「大関」であり、横綱とは大関の中でも特に優れた力士に与えられた「綱を締めて土俵入りを行う名誉称号」に過ぎなかったからです。明治時代以降に横綱が番付上の独立した最高位として明文化され、大関の待遇も別格化されたことで、現在では「一般的に三役といえば、関脇と小結の2つの地位だけを指す(狭義の三役)」という使い方が定着しています。実質的に2役しかないのに「三役」と呼び続けているのは、江戸時代の名残なのです。
【プロの結論】組織社会学・心理的バウンダリーの視点から見る「関脇」という試練の場
なぜ日本相撲協会は、番付が上である関脇の給料や待遇を小結と全く同額に据え置き、大関との間にだけ巨大な待遇差(月給で約80万円以上の差、カド番の特権など)を設けているのでしょうか。ここには、日本の伝統的な組織社会学および心理学的なメカニズムが深く関わっています。
相撲部屋という空間は、親方(師匠)と弟子が寝食を共にする擬似家族的な共同体です。昭和・平成の芸能界における「ステージママ文化」や、現代の日本社会で議論される「毒親(ドクオヤ)問題」「母娘の共依存関係」などと同様に、閉鎖的な師弟関係や後援会組織の中では、時に過度な期待や支配・被支配のプレッシャーが力士のメンタルを追い詰めるリスクを孕んでいます。
小結と関脇の待遇をあえて同一にし、大関との間に高い壁を設ける制度設計は、力士に対して「三役に上がった程度で満足するな。周囲(親方やタニマチ)への甘えや依存を断ち切り、自らの実力だけで33勝をもぎ取って本物の看板力士(大関)になれ」という、健全な自立を促すための『心理的バウンダリー(境界線)』として機能しているのです。関脇という地位は、単なる番付の通過点ではなく、一人のアスリートが周囲の重圧を跳ね返し、精神的な自立を完成させるための「通過儀礼(イニシエーション)の場」に他なりません。
こうした背景を踏まえると、大相撲観戦において「関脇の相撲に注目するのが向いている人・おすすめできない人」の判断基準も明確になります。
- 関脇の観戦に最も向いている人:単なる勝敗だけでなく、3場所33勝に向けた「星勘定の緊張感」や、重圧に打ち勝つ人間の心理ドラマ、世代交代のリアルな瞬間を味わいたい人。
- あまりおすすめできない人:推しの力士が負け越してすぐに番付を落とすシビアな現実を見るのが辛い人や、横綱・大関のような安定した強さだけを求めている人。

【関脇とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:関脇の正しい読み方は「せきわけ」と「せきわき」のどちらですか?
A1:現代の大相撲中継や公式発表では「せきわけ」と読むのが一般的です。ただし、語源である「関(大関)の脇(わき)」に由来して、古くは「せきわき」とも呼ばれており、国語辞典などでは両方の読み方が併記されています。行司の呼び上げや相撲部屋の古いしきたりの中で「せきわき」に近い発音が残っているケースもありますが、日常会話では「せきわけ」と読めば間違いありません。
Q2:関脇で「11勝4敗」を3場所続けて33勝に達したら、100%必ず大関に昇進できますか?
A2:11勝4敗を3場所安定して続けた場合、昇進できる可能性は極めて高いですが、100%の保証はありません。日本相撲協会の審判部は「33勝」を目安としつつも、横綱・大関陣との対戦成績や相撲内容(変化や注文相撲が多くないか等)、さらには当時の大関陣の人数バランスなどを総合的に勘案して昇進の是非を判断します。
Q3:関脇で2場所連続優勝した場合、大関を飛び越えて一気に横綱へ昇進することはありますか?
A3:現在の制度では関脇から横綱へ直接昇進することは絶対にありません。横綱昇進の内規には「大関の地位で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績」と明記されているため、仮に関脇で2場所連続優勝という歴史的快挙を成し遂げたとしても、まずは大関に昇進し、大関として改めて優勝を重ねる必要があります。
まとめ:今後の大相撲の動向と番付観戦を10倍楽しむための判断基準
大相撲における「関脇」とは、横綱・大関に次ぐ幕内第3位の地位でありながら、1場所の負け越しで即陥落するリスクと、3場所33勝で大関へ駆け上がるチャンスが表裏一体となった最もスリリングな番付です。基本給は約160万〜180万円と小結と同額に据え置かれているものの、三賞や懸賞金を総ざらいすれば年収3,000万円を超える夢のあるポジションでもあります。
これから大相撲中継や番付表をチェックする際は、ぜひ「現在の関脇が直近2場所で何勝しているか」「今場所あと何勝すれば33勝のラインに届くのか」という視点を持ってみてください。土俵上でぶつかり合う力士たちの気迫と、一勝一敗に込められた人生の重みが、これまで以上に鮮明に見えてくるはずです。 (出典: 関脇 と は(Yahoo!ニュース))